親とは何か?愛とは何か?が分かる映画『I am Sam』【映画感想】
映画『I am Sam』を見た。
よく名作として取り上げられていてね、どんな映画なのかと気になっていたのだ。
あらすじを知りたい方はこちらからどうぞ♪
終始、号泣
もうね、これでもかっていうほど泣きまくった。映画や本でよく泣く方だけれど、まさかこれほどまでに泣かされるとは思わなかった(笑)
サムは、ハンディキャップがあるけれど、優しくて愛情深く、とても穏やかな性格。そして、ただひたすら真っ直ぐに、娘のルーシーを愛している。
ルーシーもそんなサムが大好きで、必死にサムを守ろうとするし、一緒にいようとする。そして、可愛いだけじゃなく、彼女はすごく賢い。
『LEON』のマチルダもそうだけど、可愛くて賢い女の子って無敵だと思うな。
名場面について書きたいんだけど、この映画には名場面が多すぎて書けない。
「お父さんが読めないものは読みたくない」ってルーシーが反発するシーンも、「全てを与えたい」ってサムが裁判所で言うシーンも、「私のパパはパパだけ!」ってルーシーが叫ぶシーンも、いつも強気なリタが自分の心情を吐露するシーンも。
もう本当に名場面ばかり。
暖かい気持ちにもなるし、すごく胸が苦しくもなる。
くわしくは、ぜひ一度見てみてほしい!
ただ、私と同じく泣きすぎる人は覚悟して見た方がいいかも。
泣きまくると体力尋常じゃないくらいに使うから、ね 笑笑
主人公二人の演技力
お父さんのサムを演じたショーン・ペンと、娘のルーシーを演じたダコタ・ファニング。
この二人の演技力が本当にすごい。
サムは知的障害と自閉症を持っているんだけど、目線や体の動き・パニックの起こし方とかが本当にそのまんま。だから見ていて違和感なく物語に集中できる。引き込まれるの。
ルーシー役のダコタ・ファニングは、当時7歳。(この歳にしてこの演技力ですよ!∑(゚Д゚))
この映画での演技力が評価されて、後にいろんな映画に出演するようになったんだけど、納得だった。
“親”ってなんだろう
この映画を見て思ったのは、“親”ってなんだろうね?ということ。
サムはたしかに、知能的には親として“失格”なのかもしれない。だけど、子供への愛情は誰よりも深い。
これって、親に一番必要なことなんじゃないかな?
ルーシーもそんなサムだから、周りにどれだけ反対されようともサムのことを心から信じられたんじゃないかな。
私の親はサムとは真逆だから、余計に思う(社会的には成功してるから養育力はあるかもしれんけど人として欠落してる)
My parents are “I am not Sam”(`・∀・´)キリッ
ま、冗談はさておき。
サムは、自分だけではルーシーを育てられないからと、里親のランディに協力を求めるんだけど、これもルーシーを愛してるからこそ出た言葉。
自分の我で、単にルーシーを側に置いときたいだけなら言えない言葉だよね。
変なプライドがあっても言えないことだと思う。(物語冒頭のコナーの親とか、絶対言わないというか言えないだろうな)
自分が未熟であることを認めた上で、どうすればルーシーと一緒にいられるか。
そして何より、どうすればルーシーの為になるか。これらを考えているからこその言葉。
サム本人にはその自覚がないかもしれないけどさ。無意識にしちゃうってのも愛だと思う。見返りを求めない純粋な気持ちなわけだからね。
“愛こそはすべて”
ビートルズの曲であり、この映画での名台詞でもある「愛こそは全て」。
この映画を一言で表した言葉だとも思う。出てくる登場人物がね、全員、ルーシーへの愛に溢れているの。
いいなと思ったのが、サムとルーシーを引き離そうとした人たちも悪く描かれていないということ。
サムのもとから離そうとしたのも、ルーシーの生育に不安があったからだからね。
単にサムをやり玉にあげようとしたわけじゃない。
サムの愉快な仲間たちもいいよね(笑)(愉快なビデオナイト仲間たち)
みんな、ルーシーのこともサムのことも大好きなんだなあってほっこりした。
里親のランディも素敵な女性だよね。里親っていうと、「私が育ててやってるのに!」ってなる人も多いのに、彼女にはそれがない。
ルーシーを大切に思うからこそ、サムから無理やり引き離すのではなく、サムのことも尊重している。
ルーシーの気持ちを第一に考えているんだよね。
ご都合主義だとかファンタジーだという意見もあるかもしれないけど、私はこの映画はあったかくてすごく好き。
ちょいちょいビートルズの音楽やオマージュも出てくるから見ていて面白いしね♪
「I am Sam」は、愛とはなにか?親とはなにか?が学べる作品でした。