自由人法帳

「縛られず楽しく自由に生きる」がモットー

虐待サバイバーとしてインタビューを受けたけど、伝えたいことを全てカットされたのと事実を変えて伝えられていたので改めて記事としてまとめた

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昨年末、NHKさんより虐待サバイバーとしてインタビューを受けた。

 

【過去から自由に!過去を強みに!】虐待サバイバーとしてインタビューを受けたよ - 自由人法帳

【お知らせ】虐待サバイバーインタビューの様子がテレビで放送されます - 自由人法帳

 

無事テレビでも放映され、ネットニュースでも配信された。

 

ただ、結論を言わせていただくと、今回の件にはひどくがっかりしてしまった。

 

なぜかというと、伝えたいことが何1つ伝えられておらず、事実も変えて伝えられていたからだ。

 

真剣に向き合ったつもりだったからこそ、ひどくがっかりした。

 

 

 

 

もくじ

 

聞いていた話と全く違った

あらかじめ聞いていた話と、結果的にできたものに多少の相違があることは仕方のないこと。

 

ただ、事実関係が全く違っていたり、伝えたいことを全てカットされるとなると話は別。

 

テレビで報道される内容には限りがあるので、詳細はネットニュースで配信すると聞かされていた。

 

しかし、テレビでの報道では内容が改変され、ネットニュースにはインタビュー自体が全てカットされ一切載ることはなかったのである。

 

事実が違う

私はテレビを持っていない。

 

そのため、記者さんが文字起こしで内容を送ってくださった。

 

ただ、その内容を見て驚いた。

 

事実関係が全く違うのである。

 

「両親から繰り返し暴力を受けていた」と表現されていたが、私が両親から受けたのは、ネグレクト・経済的虐待・精神的虐待・性的虐待が主な内容である。

 

家事全般をこなし、電気ガスなどのライフラインを払ってもらえず止まり、親が家に帰ってこなくなり、学費滞納により職員室に呼び出され、夜の生活の声を聞かされる、「(再婚相手に対して)色目を使っている」と罵られる、そんな風に育ったのだ。

 

身体的な暴力だけで言えば、受けていたのは私ではなく私の弟。そして両親からではなく、相手は母の再婚相手である。

 

弟が、サッカーボールやサンドバッグのように、殴られ・蹴られ・殺されそうになっているのが、私の幼少期の日常だった。

 

こんなことを言ってはアレだが、メディアは身体的虐待だけを大々的に報道したがる節があると感じる。

 

なぜかというと、「身体的虐待はインパクトが大きくて分かりやすい」のだ。

 

また、性的虐待などは、なかなか報道することができないという背景もあるだろう。

 

だけどむしろ、傷として残るのは、体ではなく心の方

 

あまりにも心的ショックが大きかったのか、私も弟も、当時のことをあまり覚えていない。(お医者さんは私に、「解離性障害」と診断を下した。)

 

当時の全体的な記憶としては、霞がかかったように曖昧な一方で、局所的にフラッシュバックなどもあり、10代後半には酷い鬱やパニック障害を発症した。

 

虐待=身体的虐待ではないし、「分かりやすく伝えるため」と言っていたが、これでは分かりやすく伝えるというより内容の改変だ。

 

私が伝えたいこと

私が伝えたいことは、残念ながら全てカットされ、何1つ伝えてもらえなかった。

 

なので、ここに改めて書く。

 

虐待サバイバーである私が、伝えたいことは大きく2つ。

 

  • 過去に何があっても未来は変えられる
  • 自分の人生は自分で作れる

ということだ。

 

私は、虐待サバイバーを悲しいだけで終わらせたくない。

 

悲しいだけで終わらせてしまったら夢も希望もないし、いつまでも傷の舐め合いになってしまう。

 

せっかく生き抜いてきたのだ、悲しい過去に縛られるのではなく、明るい未来を作っていこう。

 

とことんわがままに、自分のしたいことを全力でやってやれ。自分の心の声を聞いてやれ。

 

あなたはもっと自由に生きていい。もっと幸せに、楽しく生きていいのだ。

 

自分の人生は自分で作っていくことと、過去に何があろうと、自分の人生は自分で作れるということ。

 

これが、今回のインタビューで1番伝えたかったことだ。

 

さいごに

この件について、書くべきか書かざるべきかすごく迷った。

 

だって別に謝罪が欲しいわけではないしね。

 

だけど事実を変えて伝えられるのは違うし、伝えたいことも何1つ伝えさせてもらっていない。

 

なんのために、触れたくない過去の傷を掘り起こして向き合ったのだろうと思ってしまった。

 

だけどただ怒っても仕方がないし、怒るのが目的ではない。だから改めて記事としてまとめようと思った。

 

重ねてになるけれど、本当に今回の件は残念。

 

取材していただいた人たちがすごく良い人たちだったからこそ余計に思う。

 

ただ、こうして取り上げていただくことで、児童虐待や虐待サバイバーへの関心は高くなると思う。

 

また、他の虐待サバイバーの中にもインタビューを受けた人がいるそうだ。

 

 

人ごとではなく、また、事実は事実として、目をそらさず見てもらえるきっかけになれば良いと強く願う。